他の地域のまちづくりに学ぼう(2)境港

子供の頃というのは、身のまわりのささいなことに霊的なものを感じていました。
たとえば、夜の木々のざわめきに「もののけ」の存在を感じさせられたり、
壁のしみの形を、霊的に浮き上がったものではないかと思ったりしていました。
小学生のとき、たまたま学級文庫にあった「日本の妖怪大全」という本にハマり、
妖怪好きになりました。
おりしもその頃、TVでゲゲゲの鬼太郎というアニメが人気となっており、
漫画本やグッズを集め、何度も妖怪ポストに手紙を書こうと思いました。
そのゲゲゲの鬼太郎の作者・水木しげるの出身地が鳥取県境港市です。
幼い頃の水木少年は、この境港市で「のんのんばあ」から様々な怪奇現象や妖怪変化の話を聞くのです。

境港市は人口36,000人の小さな市で、鳥取県の北西端にあるため経済圏としては
島根県の松江に属しているといえます。
また、住民票の写しに鬼太郎のキャクターの透かしが使われていたり、
20kmにわたって弓のように美しい弧を描く海岸・弓ヶ浜も有名です。

(上写真:米子城跡から見た弓ヶ浜、美保関方面)
境港商店街そばの「日の出駐車場」に車をとめると、
水木しげる記念館の車があり、早くも鬼太郎モードです。

境港商店街付近の駐車場はたいがい1時間100円。良心的です。
水木しげるロードには銅像だけでなく、一般応募のレリーフも。

境港は松葉ガニの水揚げ日本一らしいです。
商店街で「妖怪ガイドブック(100円)」を購入し、
商店街各地に置いてある妖怪スタンプを17個以上集めて
境港市観光案内所に持っていくと、オリジナルシールをもらえます。

このスタンプ台を店先に設置している店もあれば、店内に置いてある店もある。
「店内にスタンプあります」の標示にしたがって店内に入ると、
『いらっしゃいませーっ!』と声をかけられ、ついつい買い物してしまう。
この境港商店街の見事な戦略にはまってしまった私は、
結局、目玉の親父Tシャツやパンツ・人魂テンプラなど5,000円以上使ってしまった。

おそるべし境港商店街!床屋も鬼太郎色をだしています。
(一反木綿が切られそうに見えるのですが…)

床屋だけでなく、交番、JRの駅や電車、隠岐の島々へ行くフェリーにも鬼太郎。
鬼太郎だけでなく、「悪魔くん」のキャラクターもいます。
(左から家獣、悪魔くんメフィスト

商店街を境港駅に向かって歩いていると
後ろからカランコロン、カランコロンと下駄の音が近づいてくる。
確認するとやはり鬼太郎さんで、一緒に写真撮影をしてもらいました。
地元商店街の若い人たちが交代でキャラクター着ぐるみを着ているそうです。
観光案内所でスタンプを見せ、シールをもらいましたが、ショボかったです。
水木しげるロードの地図はネットからダウンロードでき、
LIVE映像も発信していました。
この水木しげるロードもここ15年くらいでできたものです。
・1993年7月 妖怪ブロンズ像23体でオープン
・1994年7月 ブロンズ像は40体に増え、目玉の街灯も整備
・1996年8月 ブロンズ像80体となり、また、妖怪レリーフも加わる
・2000年3月 郵政省が郵便ポストの上にブロンズ像を設置
・2003年3月 悪魔くんシリーズの像設置 水木しげる記念館オープン
・2005年7月 全国から公募したスポンサー付ブロンズ像27体設置
・2006年1月 隠岐汽船に「鬼太郎フェリー」就航
私にとって境港はテーマーパークでした。
商店街でこういった街づくりを統一してやるのは難しいことだったと思います。

まちづくり生涯学習室を利用されている方で「ちぎり絵」をやっている方がいますが、
こうしたささいな作品でも商店街中に飾るとイメージが違ってくるかもしれませんね。


報告 DENTA
(ここでの境港情報は07年2月のものです)
長崎ウエスレヤン大学 まちづくり工房☆